乃木坂46 選抜や冷遇の問題点とファンの関係

 今の乃木坂46の勢いは止まるところを知らない。白石麻衣さんや秋元真夏さんといった初期からグループを引っ張るメンバーはもちろん、齋藤飛鳥さんや山下美月さんなどの若いフレッシュなメンバー、さらには昨年12月に加入した4期生も多くの番組や媒体で活躍している。また、先月行われた西野七瀬さんの卒業コンサートには定員の10倍にあたる約50万人の応募があった。しかも首都圏ではなく大阪市の京セラドームでの開催だったにも関わらずこの数字を出したということからも今の乃木坂の勢いが垣間見れる。

 今現在の人気上位メンバーは多くがファッション誌のモデルを務めるメンバーや20歳以下の若いメンバーが多くを占めている。しかも人気メンバーとそれ以外ではかなりの差が開いているのが現状だ。加えて最近では選抜のマンネリ化や一部メンバーの冷遇が問題視され、運営批判につながっている。しかし、これは全てが運営のせいなのか。もっともプロモーション不足と言われればそうかもしれないが、ここには乃木坂46だからこその理由が隠されている。

 それはファン層の年齢の低さだ。先ほど挙げた卒業コンサートでもドームの前は多くの若者でごった返していた。また秋元グループでは定番の握手会でも、小中学生のグループが多くみられた。比べるわけではないが、同じ秋元グループのAKB48のイベントと乃木坂46のイベントでは年齢層に大きく差があった。この点が今の乃木坂の問題点に大きく関わっていると考える。

 年齢層が若年ということが何に関わるのか。それは「推し」を決める基準にある。一概に全員がそうとは言い切れないが、傾向として「ビジュアル」や「若さ」に流れがちである。よって「性格」や「パフォーマンス」を武器にするメンバーは劣勢になるのである。勿論今の人気メンバーが性格やパフォーマンスが悪いわけではない。しかしファンの大部分が重視する点が偏ったことで、序列が顕著に離れてしまっているのだろう。そしてもう一つ。若年層の特徴として流行に流されやすい点である。それこそ今は乃木坂というブランドは流行のエンタメである。グッズは飛ぶように売れ、ライブのチケットは完売。まさに時代の最先端のグループだ。しかし忘れてはいけないのは流行というのはいつか終わるということ。まして賞味期限の短いことで知られる女性アイドルなのだからなおさらである。乃木坂でいうとこの若年層がファンから離れたときが流行の終わりといえるだろう。この場合運営はどう考えるか。今の人気メンバーを中心にしたプロモーションを行うのはある意味必然ではないだろうか。過度な運営批判も見られるが、果たして運営だけの責任なのかは疑問である。しかもこの件で選抜メンバーを叩くファンも出るが、これは言語道断でありファンの行動どは到底思えないものである。

 当然運営に全く責任が無いとはいえない。楽曲ユニットや握手会での当日指名券の活用などで活路は見いだせるの考える。特に乃木坂には「軍団」という素晴らしいコンテンツがあるので他のグループよりもこの問題の解決の糸口は見えている。運営の仕事の一つとしてライト層に魅力を伝えることがあるのだから、この点にも力を入れてほしい。

 一人が選抜に入るということは一人が落ちるということ。その点を忘れている人が多いのではないだろうか。乃木坂46の最も大きな強みである「メンバーの和気あいあいさ」を失わなせないためにも、運営もファンである我々もメンバーのことを考えて行動しなければならない。